雲泉寺温泉

別府湾からまっ直ぐに延びる流川通りの終点近く、朝見川に架かる橋の手前左側に共同浴場がある。別府市内に見られる公民館併設とは異なり、木造平屋建て単独の浴舎だ。屋根には湯抜きが設けられ、懐かしい風情が漂う。
無人の受付、木製の靴箱、木製の脱衣棚が迎える。光が差し込む天井を木造トラス構造が支える。





仕切りはあるものの脱衣所と浴室は一体化した空間だ。浴槽は男女を分ける壁沿いに張り付く。内側は水色のタイルで、3・4人も浸かれば満員になりそうだ。
満たされる湯は無色で気に止まる臭いも味も感じ取れない。体を沈めても至って優しい印象だ。掲示されている温泉分析表には雲泉寺泉源と記載、朝見川の上流にある市有雲泉寺泉源からの引き湯と思われる。湯を供給するには床に設けられたレバーを操作するようだ。別府の共同浴場で見られる木の棒ではなかった。





浴舎内部を見回していると落ち着く。安堵感さえ覚える。長い年月が重ねられ今日の日に至っていることが連想された。
ありがたいひと時を今年もいただいた。別府の人々に感謝。


別府温泉 雲泉寺温泉
原町2-10
単純温泉(雲泉寺泉源)
64.1℃
シャンプー類なし ドライヤーなし
内湯
100円
6:30~22:30
201/8/3/31

餅ヶ浜温泉

国道10号線に沿う若草町に餅が浜児童公園がある。公園は町の北部に位置する。その公園から西を向くと、アパートや通りを挟んだ視線の先にクリーム色の建物が立つ。施設の名称が壁に書かれているので迷わない。2階建てで1階が浴場だ。




浴舎に入ると左手に受付がある。右手には脱衣所入口を知らせる暖簾が下がる。透明ガラスを介して浴場が見える。暖簾をくぐると細長い脱衣所だ。木製の脱衣棚に衣服を重ねる。先客入れ替わりに貸切となる。浴室と脱衣所は仕切られている。扉を開けると浴場だ。



浴室は東西に細長い。窓の壁に沿う浴槽に満たされている湯は極々うっすら茶色を帯びている。手にすくってみる。臭いはないようだ。洗い場にはコック式の蛇口が用意されているがひねっても湯は出ない。かろうじて落ちた滴たちを舌にのせる。これといった味は感じない。訪問時は12時を過ぎた頃、この時間帯は源泉が止められているようだ。




掲示されている温泉分析表から自家源泉を有するようだ。温泉の使用状況に関する掲示によれば加水も消毒もされずそのまま浴槽に供給されている。源泉温度が入浴に適した温度に近いことがなせる業かもしれない。源泉が供給されているときにぜひ再訪したい。


別府温泉 餅ヶ浜温泉
若草町3-21
ナトリウム・マグネシウム・カルシウム-炭酸水素塩泉
44.0℃
シャンプー類なし ドライヤーなし
内湯
100円
6:30~22:00(12:00~14:00は給湯停止)
休:第3水曜日
2018/3/31

若草温泉

境川の左岸、国道10号線と接する街区は若草町という。新境橋の袂にあるガソリンスタンドから西へ折れて間もなく深いエンジ色の建物が見つかる。1階が浴場2階が公民館だ。




扉を開けると脱衣所、暗い。晴天の昼間だが暗い。木製の棚に服を重ね浴室に入る。脱衣所と浴室は完全に仕切られている。
浴室は暗い。高い位置に設けられた4つの窓から明かりは取られているが暗い。スイッチを探すが見つけられない。諦めてかかり湯をする。
熱い。辛抱できる程度の熱さだったので身を沈める。ほぼ透明と思える。源泉枡から汲み上げてみる。臭い、味ともにこれといった特色は感じ取れない。肌に残る個性もなく至って素直だ。



掲示されている分析表によればナトリウム・マグネシウム・カルシウム-炭酸水素塩泉という泉質でPH7.7だ。温泉成分が浴槽にこびりついているかもしれないというような期待を持ちそうだが、体感する限りにおいては素直だ。




若草温泉は自家源泉、湧出地は敷地内のようだ。引き湯が珍しくない住宅街の共同浴場で自家源泉で維持されていることに敬意を覚える。
浴室の明かりスイッチは入り口の左上部にあった。見落としていた。


別府温泉 若草温泉
若草町9-37
ナトリウム・マグネシウム・カルシウム-炭酸水素塩泉
47.4℃
シャンプー類なし ドライヤーなし
内湯
100円
6:00~23:00
2018/3/31


富士見第二温泉

富士見通りとJR日豊本線が交わる地点の北西街区に浴場はある。理髪店の隣に立地する建物は2階建てで1階が浴場である。11時から14時までは掃除のために施錠され休みとなる。




中に入り左へ進むと男湯である。思ったよりも内部は広い。靴置き場、脱衣棚とも使い込まれ古い。脱衣所と浴室は一体化し階段を5段ほど降りると浴槽が待つ。



浴室は浴槽や床、腰高までの壁などは改修されている。もともと入口や脱衣所は水色、浴室は白を基本とした色合いで、未改修と思われる天井の意匠には味わいがある。浴場の床面が低いこともあって浴室の天井は高く感じる。正面と左側の壁はそれぞれ横2間、縦4段の窓ガラスが設けられ浴室は明るい。



浴槽はほぼ中央に配置され、透明の湯が満たされる。源泉枡から汲み上げてみる。特段の臭いや味を感じることはない。至って素直な印象だ。加水されているらしく浴槽の湯は適温だった。源泉は鶴見園第1泉源で引き湯されているようだ。



多数の利用を想定した規模の共同浴場だ。富士見通りを挟んだ南側には第一富士見温泉がある。


別府温泉 富士見第二温泉
富士見町1-16
単純温泉(鶴見園第1泉源)
58.5℃
シャンプー類なし ドライヤーなし
内湯
100円
6:00~11:00・14:00~23:00
2018/3/31

南的ヶ浜温泉

北浜ホテル街の北隣、的ヶ浜公園と日豊本線の間には駅から延びる県道32号沿いの賑わいとは無縁の街並みが続いている。住宅や商店が規則正しく並ぶ街区は穏やかな落ち着きと活気が不思議な調和を醸している。一方通行で規制された曙通りを歩いていくと古いがモダンな造りの浴舎が見えてくる。自家源泉を有する南的ヶ浜温泉だ。




立派な構えの入口を入れば番台が待つ。どうやら無人のようだ。料金箱が用意されているので、臨時入浴者は100円を投入する。向かって右が男湯だ。脱衣所には白い木製の脱衣棚が並ぶ。壁際には木製の長椅子が横たわる。至ってシンプルだ。



脱衣所と浴室は仕切られている。引き戸を開けると湯気が満ちた浴室が現れる。角を丸めた浴槽は別府の共同浴場では大きい部類に入るだろう。10人ぐらいは入れそうだ。左隅には源泉枡がありこちらで浴槽への投入量を調整する。南に向く窓からは日差しが差し込む。
熱い湯が浴槽を満たす。源泉枡から汲み上げて臭いと味を試すが、激熱のため臭いも味も感じ取れない。番台の上部には加水あり、消毒なし、循環なしと掲示されている。敷地内で生まれた源泉がそのまま供給されているようだ。分析表には「南的ヶ浜温泉」と源泉名が記されている。




浴場には次々に客が来る。私のように温泉まつりに誘われてのことだろう。


別府温泉 南的ヶ浜温泉
南的ヶ浜町4-8
ナトリウム・マグネシウム-炭酸水素塩泉(自家源泉)
57.3℃
シャンプー類なし ドライヤーなし
内湯
100円
10:00~22:00
休:第1・3日曜日
2018/3/31

扇山温泉

公園、病院、小学校が立地するなだらかな丘陵地は、ゆとりある敷地の住宅街を形成する。側には2級河川の境川が流れる。整備された岸辺には桜並木が風にゆれ、市民や観光客が憩う姿が見られる。
そんな住宅街の坂道の途中に共同浴場がある。コンクリート製の建物は平屋で、入口付近はぼんぼりで飾られていた。扉は開け放たれ、いちべつでは男女の区分が分からず暫し戸惑った。向かって左側が男湯だった。




中に入ると青い長椅子が目に留まる。そのまま進むと左側に脱衣棚、右側に浴槽が配置されている。脱衣場と浴室が一体となった造りだ。浴槽には手前に階段と手すりが設けられている。過去の記憶を紐解けば、四隅を落とした四角い浴槽だったはず。淵を見ると改修の形跡があった。

浴槽を満たす湯を手にすくうと硫黄臭とも硫化水素臭ともつかぬ臭いが鼻腔を刺激する。浴槽の湯はごく薄い白濁だ。隅にある源泉枡から湯を汲み上げてみる。明らかな硫黄臭とツンと来る硫化水素臭がする。枡の中では白い粒子が浮遊している。温泉文化研究所(青森さん)のサイトによれば堀田温泉からの引き湯とのこと。泉質は単純温泉ながら硫黄泉との印象を受けてしまいそうなほど個性がある。枡から汲み上げた湯は激熱で指先さえ浸すことができない。冷めた源泉を口に含むと弱いとろみを感じた。




浴槽には加水用の蛇口がある。後客の方は源泉を加えながら加水をしていた。
丁寧に管理されている組合員専用の共同浴場、温泉まつり限定とはいえこころよく無料で提供していただいていることに感謝しながら浴舎を後にした。


扇山温泉
別府市扇山
単純温泉
泉温不明
シャンプー類なし ドライヤーなし
内湯
ジモ専(組合員以外入浴不可)
2018/3/31

弓松温泉

ホテルや観光旅館が林立する北浜エリアの中にあって、組合員専用の共同浴場として存在していた。2016年9月に別府温泉道に参加し午後の2時間のみが解放されている。この日は温泉まつりで無料、かつ午前中に入浴させていただいた。




奥まった路地の先に浴舎は建っている。2階建ての1階が浴場だ。左側の扉が男湯入口で、細い脱衣所には木製の棚、扇風機が備わる。

扉を開けると浴室だ。コンパクトな浴槽が短辺を壁に沿わせ配置されている。タイルを張った浴槽は3人も入れば満員となる。浴槽に満たされている湯はほぼ無色、感じ取れるような臭いはない。源泉枡の湯を汲みだし冷ました後で含んでみると弱い石膏味を感じる。源泉は激熱で、加水が必要となるようだ。この日は適温だった。先客によって調整されていたのだろう。




洗い場といったものはない。壁から突き出た蛇口からは水が出るだけだ。なんの飾りもない浴場は別府の賑わいとは別世界だ。なのに心を解放してくれる不思議な空間だ。


別府温泉 弓松温泉
北浜3丁目6-16
泉質不明(ナトリウム成分と炭酸イオン成分が相対的に多い)
57℃
シャンプー類なし ドライヤーなし
内湯
100円
14:00~16:00
2018/3/31