生目温泉

行き交う車に注意をしながらカーブする県道52号の端っこを歩く。浴舎は県道に面し、ガードパイプに守られている。ぼんぼりが下がる入口の扉を開けるとすぐさま脱衣所だ。




使い込まれた室内には木製の棚が造りつけられている。その先に浴室が控える。脱衣所と浴室の間に仕切りはない。

浴槽は小ぶりで3人ほどでいっぱいだ。浴室もコンパクトだ。浴槽の側には湯だまり枡がある。こちらに刺された木栓で供給される湯量を調節するのだ。枡に顔を近づけると硫化水素臭がする。なんとも心地よい。
浴槽に満たされた湯からはハッとするような臭いは感じ取れなかったが、源泉そのものには個性が潜んでいたようだ。うっすら白く濁る湯が隠れた力を見せている。




洗い場らしき洗い場はない。それらしいのが浴槽の傍らに一か所あるのみだ。浴槽の周りで洗うのが別府の習わしだから、洗い場は不要なのだ。
温泉まつりの日以外でもよそ者は入れる。別府共同湯の魅力が詰まっている。


生目温泉
別府市南立石生目町14組
単純温泉(石垣線)
78.0℃
シャンプー類なし ドライヤーなし
内湯
100円
6:00~8:00/10:00~22:30
2017/4/1